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丸尾聡の死ぬまで日記 復活編

市民劇の事

長きに渡った稽古も終わり、市民劇の第一陣の3ステージの幕が閉じた。
ご来場の皆様、ありがとうございました。
また、20、21日の川崎の公演にとおもっていらっしゃる皆様、どうかよろしくお願い致します。


さて。

というわけで、まだ中途ではあるのだが、思う事を少し。
ほとんどは泣き言であるので、読みたくない人は読まなければよろしい。

市民劇。
わたしたちが、普段やっているような芝居とはまったく違う形態で、今回は芝居をした。
経験させてもらったという思いもある。
ふじたあさやさんの演出は勉強になった。
アマチュアで50年劇団を続けている、京浜協同劇団のみなさんの芝居に取り組むスタンスも見事で、感激した。

小山と横澤が、その姿勢を含め、たくさんの人から好かれ、褒められたのも嬉しかった。
モスクワカヌも、急遽呼んだのだが、彼女のためにもなっただろうし、あいつの一生懸命さが認められてよかった。

わたしは、演出助手と俳優、この公演の推進委員。
1月に3週間の入院、それから当初から分かっていた事とはいえ、自分の劇団の公演がありその間は、迷惑をかけた。
芝居は、予想通り、評判がよいようだ。
お客さんも入った。
多摩市民館で3ステージで、2300人動員したステージというのは、もしかしたら記録ではないか。
まあ、予想通りの評判というのが、芝居を作る側としては、思う事もあるのだけれど、それは何よりの事であるし。

しかし、疲れた。正直。
出演者、スタッフ総勢70名ほどか。
まあ、こんなものを、体制作りや、何かを共有する努力無しに、仕切ろうとするのは、無理に決まっているのだから、やれることをと思っていたのだが、生来のサービス精神か、気のよさか、要領の悪さか、こういう事が嫌だから芝居をやってんのになあ、ということも実に正直、たくさんあった。
私の基準は、いい芝居を作る、ということでしかないので、それを基準にすべて動いているという事を、理解されない場面は辛かった。その方法論で戦うならともかく、最初から、自分の都合とか悪意でやっていると思われると実に萎えるものだ。多分、そういうひとは、普段、自分がそうなのだろう。

といいつつ、ああ、俺もプロなのだなあ、と自画自賛しよう。
評判がいいことへの、貢献は確かにしたと思うからだ。

後2ステージ。
粛々と、いい芝居をするための仕事をしようと思う。
「サービスし過ぎだよ、丸ちゃん」
小林達雄によく言われる言葉が思い浮かぶ。


が、「枡形城 落日の舞い」は、いい芝居です。
市民劇なのに、プロフェッショナルな、良さなのが面白い。
それは、まずは演出であるし、それを支えたプロのスタッフであるのだなあ。
それには、無論、自分も入っていて、だからこそ、どういう場面でも、どういう芝居でも、
面白い芝居を作るという事だけに向かい、それを技術と志で実現していく「プロ」でなければいけないなあ、
強く思った今回の芝居であります。


    03:43 | Trackback : 0 | Comment : 2 | Top

さまざまな「現場」

「現場」というのは、あのげんば、である。
「事件は現場で起こってるんだよ」の現場である。
演劇界では、芝居作りそのものの稽古場や劇場入りしての幕があくまで、そして制作業務などを差す場合が多いようである。
なぜか、劇作家が、机の前でうなっている場、あるいはなんとかそれを通り抜けて、キーボードを叩きまくり鬼神のごとく台本を書き上げている場も、現場とは呼ばれない事が多いようである。
机の前でうなる前の、たとえば散歩をしたり、アイデアを得ようと飲みたくもない酒を飲んだり。見たくもない芝居を見たり、クロスワードパスルをしたり、パソコンでゲームをしたりしている時間が、まったくもって「現場」とは呼ばれない。

本日は、その現場とは呼ばれない、締め切り間近のラジオドラマのシナリオはほんの少し置いておいて(誰も関係者は読んでいませんように)、とある「現場」に行って来た。

「台本検討会議」

ね。
なんか現場でしょ。
すごいでしょ。
検討するんだよ。
台本を。

書いたのは当然作家だから、検討するのは、当然、作家以外の人。

いやだなあ。
作家だったら、そんな「現場」
映像やイベントなんかだと、こういう羽目に陥る事がままある。
多勢に無勢。
そうなると作家も妙に理論武装して、マーケティングなど持ち出して、
「こういうのが、今は、案外トレンドなんですよ」と口走ったりして、
これはさすがに猛烈な自己嫌悪に落ち込む。
(シナリオライターはやわでは勤まらぬ。考えてみると劇作家はナイーブな人ばかりだ)


えへん。
えへん、えへん。
しかし、私は今日は作家ではないのだ。
私の書いた本を「検討」するのではないのだ。
実に気楽である。
私は「検討」する立場に立ったのだ。
えへん。

なにが、えへんなんだか…

演出助手、推進委員、それからもしかして出演? 何か足りなそうなところで。
演出助手は、制作や演出が気をつかってくれて、演出協力か演出補とかにしようか、と言ってくれたのだが、今回は、助手でしょう。なにせ、演出は、ふじたあさやさんである。
そうそう、これが今回の「現場:での私の立場である。
そして、その「現場」は、川崎郷土・市民劇「舛方城 落日の舞い」である。
実に小劇場っぽくないが、小劇場じゃないし。
川崎市多摩市民館、川崎市教育文化会館という1000人クラスのホールで行われる、川崎市、川崎文化財団が共催、実行委員会が主催する「市民劇」が、この「現場」である。
実行委員会には、なんか偉い人たちがたくさん名を連ね、「皆さんも名前が載ったからには、自分の統括団体、テリトリーに宣伝して、とにかくチケットを売るんですよ、いいですね、これは文化のためなんだから無論、ボランティアですよ」という「現場」なのだ。

わたしは、それを「作る方」の一人ということになる。
いや、これはまた、実にプレッシャーでもある。

市民の皆様に寄与する芝居を作りつつ、市民も参加しつつフォローしつつ、しかも、こっちだって芝居なんだから、おもしれえことやって、こなすだけの仕事なんてぜってえやらねえぜ、という、実に頭の悪い決意で取り組んでいるからである。

と、こういった背景で今日の「検討会議」は行われたのであった。

元々の戯曲は、小川信夫氏の手によるものであったが、演出が、上演用に手を入れた。いやあ、これがかなり手を入れた。場面も増えたり減ったり、登場人物も増えたり減ったり、台詞は原型はどこに?
これはもうバトルが予想される。大抵の劇作家は、もう自分の作品を一言だってカットするのは嫌だし、人から一言でも文句を言われるのは嫌だし。
しかし、出来上がった台本は、実に「匠」の技なのであった。
芝居の推進力、客に興味を引き止める技や、絶妙な場面構成。
すでにこのままで充分、上演台本、であった。

が、これが「現場」なのだなあ。
わたし、かなりいい意味でこの言葉を、今,使ってます。
原作者(渾身の力を込めて思いの丈を作品にした人)、制作者(チケット売る人)、プロデューサーサイド(お金を出す人)、地元出身地元演劇人実行委員(市民劇をやる意味を真剣に考える人)、皆様から実にそれぞれの立場に立った観点から、素直な、そして建設的な意見が、出てくる。
私はと言えば、実に、これが、一番らくちんな立場であった。
お金は出さないわ、チケット売る責任もないわ、作家でも演出家でもないわ、川崎にもう20年住んでいるが地元意識はどうなのよ、だわ、
演出助手ですから。

しかし、滾るというか...

「演出を助ける立場ですので、発言はどうかと思うのですが・・・」と言いながら、具体的な台本の問題点を、ああ、言いました。

さすが、あさやさん、一をきいて十を知る。ごめんなさい、こんな偉そうな表現しか浮かびません、多くを語らなくても、琴線に触れた部分は、パパッとメモしていく。


「検討者」の発言に対して、うなづくところはさっとうなづき、それは譲れない、そういうところは、またもやパパッと反論して行く。

あなたは、プロです。

わたしは、なんか、プロに弱い。

おお、と思いつつ、3時間近い会議終了。

台本は、さらに書き直される事に。

しかし、実にこういう現場もいいものである。
というのが今日の感想。
ちょっと自分の劇団や小劇場じゃ、なかなか味わえんなあ。

物作りの行程。
他者との関わりの中で、社会との関わりのなかでも芝居作り。


これは相当いけますよ。この芝居。
とりあえずの詳細は、リニューアルされた劇団HPのトップページ、More Articles...の中から。

そうそう見てね。HP
http://promstage.com/www/J/


    23:00 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top
終了しました
震災による休演もございましたが、劇場の協力を得て代替公演を行ない、予定通りのステージ数を終えました。困難な状況の中ご来場くださったお客様に、心より感謝致します。また、ご協力くださった方々、お心をお寄せくださった皆様にも。本当にありがとうございました。

『死刑執行人
~山田浅右衛門とサンソン』



共同体の和を著しく乱した者は
生きる権利を失う
彼らの存在を世から消す
それが死刑執行人

[会場]
テアトルBONBON
中野駅徒歩5分

[タイムテーブル]
3月9日(水)~15日(火)
9日(水) 19:00
10日(木) 19:00
11日(金) 19:00
12日(土) 14:00
13日(日) 14:00/19:00
14日(月) 14:00/19:00
15日(火) 14:00

詳細は公式サイトでご確認ください
プロフィール

丸尾聡

Author:丸尾聡
○劇作家・演出家・シナリオライター・俳優
○“世の中と演劇するオフィスプロジェクトM”代表


糖尿病演劇人として、日々戦いの毎日
代表作に、戯曲『飯綱おろし』『海峡を越えた女』『離宮のタルト』、オーディオドラマ『バッテリー』『精霊の守り人』『残置物処理班』など

ワークショップ
*開催日程は公式サイト
 ご確認ください

■ベーシック・ワークショップ
 『声のれっすん
俳優志望者・スキルアップを目指す俳優、そして劇作家や演出家とその卵。幅広い演劇人のためのワークショップ。参加申込みは随時。

■戯曲創作ワークショップ
 『劇作のれっすん
構想を戯曲化したい方、書き上げた戯曲をリライトしたい方のため講座。
*短期リライトコース受付中!
 ⇒最終稿まで、面談または
  メール個人指導
*単日セミナー随時開催!

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'10年10月 プロジェクトM
夕空はれて
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08年2~3月/プロジェクトM
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