長いの ほか
稽古帰り。
今回はいつもより少し飲む回数が少ないかもしれぬ。
役者だからね。
しかし、まあ、飲むわな。
その日は、演出助手、弟子のモスクワカヌと久しぶりに二人で。
あまり馴染みのない街。
ふらふらと歩き、
「お、ここどうだ」
「あ、よさそうですねえ」
入ったのは、炉端焼きの店。
オール350円。
「うん、いいんじゃないのか」
「はい」
カウンターの端に座る。
焼き場がよく見える。
魚、鳥、おにぎり、焼いている。
美味そうだ。
「なんですかねえ、あれ」
「え、なにが?」
「あの、長い魚です」
焼かれている魚は一尾だけである。
「・・・おまえ、あの魚がなんだか知らないのか??」
「はい。あんなに長い魚は見た事がありません」
「・・・。あれは、サンマだ・・・」
「またまた」
「なんでだ! サンマだよ、決まってるだろ」
「サンマなら、昨日食べたじゃないですか。あんなに長くないですよ」
「昨日のより、ちょっと立派かもしれないが、サンマなの、あれも」
「太刀魚!」
「違う。太刀魚はあんな短くない。知っている魚の名前をいうな。太刀魚はあんなふうに丸ごと焼けないよ!!」
「サンマですかねえ・・・」
「サンマだよ。サンマ」
「・・・。この銀杏美味しいですねえ。気に入りました」
そっちか!!
横澤有紀が事務所で、深夜まで作業。
「おまえ、ご飯でも食べるか。」
顔ごと、笑みになって怖いくらい。
「食べます!!」
「じゃ、じゃあ、何か作ってやるよ。パスタでいいか」
「パスタでいいです」
「たくさん食べるのか」
「たくさん食べます」
で、パスタを作る。
なにも野菜がなかったので、レトルトのトマトソースとチーズのパスタ。タイムとかスパイスを。
500グラムの麺をゆでる。
「わあー。たくさんだあ」
「余ったら、明日俺が食べるから。無理して食べなくていいぞ」
「はい」
味はシンプル。
「あきたらさ、ちょっと醤油をたらすと結構いけるぞ」
「ああ、ほんとだ、香ばしくなります」
「だろ。ああ、俺はもういいや、結構食べちゃったよ」
普段、パスタは80グラムと決めている私は、それでも、100グラムくらい、つまり普通の一人前よる若干少ない位を食べたか。
「もう、食べられません。お腹いっぱいです」
「そうか、だから残してもいいぞ」
テレビをつける。なんだか、深夜番組。
横澤は、ずっと感想を言いながら、テレビを見続ける。
そして、食べる。
いつまでも。
食べる。
少しづつ。
「わあ。食べちゃうじゃん」
「ねえ。良かった、わたし、まだ衰えてないんだ」
「な、なにが、良かったんだ!?」
「もう、駄目なのかなあ、って」
「駄目でもいいんじゃないか? パスタ夜中に400グラム食べられなくてもさ」
「なんか、最近ぜんそくなんです」
というわけで、すごいよ。
ワカヌも横澤も。
なにがすごいかわからんが。
というわけで、ワカヌが演出助手をつとめ、横澤が出演する「夕空はれて」は、29日が初日です。
このブログで笑った君。
予約を急げ。
今回はいつもより少し飲む回数が少ないかもしれぬ。
役者だからね。
しかし、まあ、飲むわな。
その日は、演出助手、弟子のモスクワカヌと久しぶりに二人で。
あまり馴染みのない街。
ふらふらと歩き、
「お、ここどうだ」
「あ、よさそうですねえ」
入ったのは、炉端焼きの店。
オール350円。
「うん、いいんじゃないのか」
「はい」
カウンターの端に座る。
焼き場がよく見える。
魚、鳥、おにぎり、焼いている。
美味そうだ。
「なんですかねえ、あれ」
「え、なにが?」
「あの、長い魚です」
焼かれている魚は一尾だけである。
「・・・おまえ、あの魚がなんだか知らないのか??」
「はい。あんなに長い魚は見た事がありません」
「・・・。あれは、サンマだ・・・」
「またまた」
「なんでだ! サンマだよ、決まってるだろ」
「サンマなら、昨日食べたじゃないですか。あんなに長くないですよ」
「昨日のより、ちょっと立派かもしれないが、サンマなの、あれも」
「太刀魚!」
「違う。太刀魚はあんな短くない。知っている魚の名前をいうな。太刀魚はあんなふうに丸ごと焼けないよ!!」
「サンマですかねえ・・・」
「サンマだよ。サンマ」
「・・・。この銀杏美味しいですねえ。気に入りました」
そっちか!!
横澤有紀が事務所で、深夜まで作業。
「おまえ、ご飯でも食べるか。」
顔ごと、笑みになって怖いくらい。
「食べます!!」
「じゃ、じゃあ、何か作ってやるよ。パスタでいいか」
「パスタでいいです」
「たくさん食べるのか」
「たくさん食べます」
で、パスタを作る。
なにも野菜がなかったので、レトルトのトマトソースとチーズのパスタ。タイムとかスパイスを。
500グラムの麺をゆでる。
「わあー。たくさんだあ」
「余ったら、明日俺が食べるから。無理して食べなくていいぞ」
「はい」
味はシンプル。
「あきたらさ、ちょっと醤油をたらすと結構いけるぞ」
「ああ、ほんとだ、香ばしくなります」
「だろ。ああ、俺はもういいや、結構食べちゃったよ」
普段、パスタは80グラムと決めている私は、それでも、100グラムくらい、つまり普通の一人前よる若干少ない位を食べたか。
「もう、食べられません。お腹いっぱいです」
「そうか、だから残してもいいぞ」
テレビをつける。なんだか、深夜番組。
横澤は、ずっと感想を言いながら、テレビを見続ける。
そして、食べる。
いつまでも。
食べる。
少しづつ。
「わあ。食べちゃうじゃん」
「ねえ。良かった、わたし、まだ衰えてないんだ」
「な、なにが、良かったんだ!?」
「もう、駄目なのかなあ、って」
「駄目でもいいんじゃないか? パスタ夜中に400グラム食べられなくてもさ」
「なんか、最近ぜんそくなんです」
というわけで、すごいよ。
ワカヌも横澤も。
なにがすごいかわからんが。
というわけで、ワカヌが演出助手をつとめ、横澤が出演する「夕空はれて」は、29日が初日です。
このブログで笑った君。
予約を急げ。